Whatever

花より男子 二次創作小説 CP 類×つくし

 

ごあいさつ 




お越しいただき、ありがとうございます。

当blogは、「花より男子」の二次小説blogです。
カップリングは 『 類×つくし 』 オンリーです。
その他のCP予定は今のところ全くありません。

原作者様および出版社様等とは一切関係ありません。
原作主義の方、原作のイメージを壊したくない方は、
決してお読みにならないようお願い致します。

なお、全ての閲覧は自己責任でお願いします。



当blogのタイトル、URL、作品の一部であったとしても、
無断転載は禁止です。










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category: ごあいさつ

thread: 管理人より - janre: その他

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◆短編

・プロポーズ ・以心伝心 ・ずっと先 ・flutter ・marriage ・恋愛の法則(前) (後) 
・乙女のはにかみ ・離陸態勢 ・リラの咲く頃 ・meet a deadline ・ラブレター 
・きっかけSide:Rui(2012桃の節句) ・ウソつき(前)(後) ・free spirit ・泣き虫 
・予定調和 ・南風 ・Love is giving ・近距離恋愛 ・below the horizon 
・heartbreak law (ver.Rui) ・heartbreak law (ver.Tsukushi)  ・初恋 ・ラストステップ 
・Cheap Love ・仲良し ・No End of Love ・Dreamscape  ・Snowscape  ・約束
・Overcast Kiss ・恋愛管理 ・Songbird ・Once in a Lifetime (前) (中) (後)
・Starting tomorrow. (2019.3.29)  ・day after tomorrow ・パスポート
・はじまり ・いじわる ・ファーストステップ


イベント(短編)
・降っても降らなくても(2011七夕) ・類のプレゼント (2011Halloween) 
・by and by前 (2012WD) ・甘くてアマイ(2013V.D.) (前)(後)オマケ ・infinity (2013RuiBD)
・1224 (2019Christmas) ・1225 (2019Christmas) ・1227-1228 (2019TsukushiBirthday)
・チョコレートの味(2020VD)
・恋と幼馴染と(2020VD) → 幼馴染と恋人と(2020WD) -Coming Soon -


※2011クリスマス企画
・告白の行方 (前) (後)  ・すれ違いの行方 (前) (後)


二人暮らしシリーズ(完)
・二人暮らし   ・GAME  ・オオカミ青年  ・冷たいロマンチック(2011つくしB.D)
・ワガママ(2012類B.D)
二人暮らし番外
・because you are very special to me. (2012VD)


You complete me. シリーズ(完)
・You complete me. (2019VD)・You complete me. (2019WD) 
 → ・To me, you are perfect.1 2・You make my life complete.
<番外編> スカイ・ロック・ゲート 1 2 3 4


わたしの旦那様シリーズ (それそれに独立した短編。 続きものではありません)
・Good Morning  ・ストロベリーフィールド  ・わたしのおしごと  ・秘密
・おめかし  ・なみだのあと(2012つくしBD)  ・お買いもの ・定期メンテナンス


・花沢類のアルバイト 1 2...


・first experience 1 2 3 4 (完)


・僕らの恋 1 2 3 (終)





◆中編

・シアワセな日々 1 2 3 (終)
 <番外編> ・シアワセな日々 : ahead of that  
    ・snow drop 1 2 3 4 5 6 7 8 (完)
・シアワセな日々 : つくしの反乱 1 2 3 4 5 6 7 8 (終)
・シアワセな日々Ⅱ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 (終)
・シアワセな日々Ⅱ : 逆襲の類 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (完)


・つくしの長い一日 1 2 3 4 5 6 (完)


※1→2→3→4→a clear day→5→a rainy day→6→逆光→7→tea break→8→閃光→9
・sugar 1 2 3 4 5 6 7 8 9 (完)
 <番外編> ・a clear day ・a rainy day ・逆光  ・tea break ・閃光 (前) (後)
 <特別編> ・つくちゃんと一緒  ・お願いごと  ・ごはんだよ
       ・Happy Holidays(前)(後)(2012Xmas) ・sugar baby (2019桃の節句) ・寝顔

sugar番外シリーズ (中編のsugar番外にリンクした短編)
・On the sun in the sky ・水色の傘 ・横顔 ・落書き ・コイビト ・wrong guess


・The Best Lasts Forever 1 2 3 4 5 6 7 8 (完)


・天然自然 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15.1 15.2 16 (完)
 <番外編> ・定期便  ・年始のあいさつ  ・Flowers for…  ・affection 
      ・年始の挨拶(2013)


ポップシリーズ
・ポップチューン  ・ミディアムポップ  ・ポップコンフェクション  ・ポップロック
・ポップビート  ・テクノポップ  ・ポップナンバー (完)
(ポップシリーズ続編)
・ポップスター 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (完)


・ダブルスチール 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 (完)


・抹茶みるく 1 2 3 4 5 6 7 8 (完)


※不定期連載
・泰然自若 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ......


・forget-me-not 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 (完)


・Higher than the sun 1 2 3 4 5 6 (完)


・永遠と一日 Rui Akira Tsukasa Sojiro Tsukushi永遠の手 (完)


・天高く恋燃ゆる秋 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 12.5R 13 (完)

   <番外編>  秋深き 隣は恋を する人ぞ


・What's … between friends? 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 (完)

   <番外編>  between ourselves 1 2 3 4 5 6 (完)




◆長編

・and evening 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
        21 22 23 24 25 26 (終)
       ・bright golden yellow  ・ultramarine (完)
   
  <番外編> 観覧車



・Viva La Vida 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 (完)

  <特別編> ・This love is two dollars. 1 2 3 4 5 6 7 (完)



・A solar fragment. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 (完)

  <特別編> ・ソメイヨシノ(2012類B.D) 1 2 3 (完)



・little by little 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 (完)

  <aftereffect> ・うたた寝 (2019RuiBD)



・君の恋人 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 (完)


・First crush 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 (完)

  <Extra Edition> First priority 1 2 3 (完)
          (One Big) First Project 1 2 3(完)



◇コラボ
 (類つくサイトマスターさまとのコラボレーション作品)

・Morning Glory 1 2 3 4 5 5.5 6 7 (完)  ・朝顔の花永遠

・木枯らしと陽だまり 1 2 3 4 5 6 7 8 (完)
 <続編> ※ so単独執筆
  ・そよ風と水たまり 1 2 3 (完)



■ final note












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thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

チョコレートの味(2020VD) 






ふわぁっ......と、噛み殺した欠伸。

「もうっ! 話してる人の目の前で...失礼だよ!」

ジロリと正面の牧野が俺を睨む。

午後の日当たりの良いカフェテラス。
牧野のお喋りは、最近のチョコレート事情で、全く興味が無い。
ただ、その声が心地良いから、つい、眠くなる。

不貞腐れてる牧野に、「ごめんね」と、謝って、
「それで?...牧野は誰にそのチョコあげるの?」と、聞く。

「あげないよ」
「......じゃあ、何をそんなに熱弁してたのさ?」

呆れ返って見つめるのは、学生時代より大人びた輪郭。
肩にかかるか、かからないぐらいのストレートの黒髪。

「だから、この時期にしか買えない、まるで宝石のような...!」

また、ウットリとチョコレートについて喋り出す。

チョコレートの祭典がどうの、何とかって言うショコラティエの限定品がどうの、
日本では今しか、そこでしか買えない云々、今年はルビーがどうでああで......。

誰かにあげるためではなく、自らへのご褒美としてのプレゼントなのだと、
高級なので一つ...否、今年は二つほどチョイスしたいと、うふふ...と、微笑む。

そもそも、今日、今、牧野と俺は半年ぶりの再会。
俺の仕事は欧州が中心で、パリに在住しているから、日本へは年に数週間程度の出張で訪れる。
そして、その度に俺は牧野と必ず何とかして1度は会うようにしていて、
今日はその貴重な半年ぶりの時間。

「あーあ、もっとお給料あったら、あのチョコも買えたのになあ...食べてみたかったなあ......」

低所得でもあるまいし、自分の意志で節約をしているのに、
高級チョコは1万円までしか買えないのだと嘆く。

「......わかったよ。 買ってあげるから」
「いいの!?」

間髪入れずに期待に満ちたキラキラとした大きな瞳。
思わず頬が引き攣る。

帰国前に、お土産いる?なんて、連絡をしたら、案の定、いつものごとく、
何もいらないよーなんて言っていたから、牧野が遠慮しないように、" プチギフトにピッタリ " と、
紹介されていたオーガニックのハンドクリームを買って来て渡したのは40分程前。
まあ、それはそれで喜んでくれたのだけど、
つまり、牧野は、俺にチョコレートを買ってきてほしかったわけで......。

確かに、何もいらないよーとは言っていたけれど、
「チョコ食べたいなあ」とは、言っていたのだ。

チョコ? 相変わらず、すぐ食べ物の話を...と、俺は聞き流してしまったのだ。
全く、俺という男は気が利かない。


「じゃあ、今から買いに行ってもいい?」
「いいよ。 上限の制限はないから、好きなだけ買ってあげる」

「あ、そーゆー金持ち風吹かせるのやめてよー。 感じ悪いよ?」
「......」


経済力をアピールしたつもりが、感じ悪いと言われて、言葉も無い。






















バレンタインディナーは鉄板焼き。

「目の前でステーキを焼いてもらいたい」
「あのお酒をシャッとして、炎が上がるところ動画に撮りたい」と、
牧野に前のめりでリクエストされた。

そして、今、牧野は携帯を構えている。

「類も撮って」
「......やだよ」
「お願い」
「牧野が撮るならいいだろ」
「別アングルのも欲しいから。 お願い」

真顔でお願いをされて、固まる俺を見かねた店員が、
自分が撮影するから、お二人はゆっくりとお食事を......と、慌てた様子。


チョコレートは幾つか購入。
後々、実はあれが欲しかったとか、本当はあっちが良かったとか言われかねないので、
牧野が手にしていないものも適当にピックアップした。

「買い過ぎだよ...」と、顔を引き攣らせていた牧野だけど、
「本当に全部貰っていいの?」と、最終的には、「ありがとう」と、照れたように微笑んだ。



類......
「ん?」
このお肉、やばいね

コソコソと言ってくるから、牧野の肉に何か問題が?と、覗き込めば、
こんな柔らかい...溶けるよ...このお肉......」と、しっかりと俺を見つめて頷いてくるから、
少し笑ってしまう。


「類、いつパリに帰るの?」
「来週かな」
「もう1回ぐらい会える?」
「うーん......頑張る」


あたしに会う時間を作るために頑張らなくて良いよと笑うけれど、
また会いたいなんて、可愛いから。

こんな可愛いことを言うなんて、学生時代の牧野からは想像もつかないけれど、
ぱくぱくと美味しそうに海鮮を口に放り込むように食べる姿はあの頃のまま。


「俺、チョコ欲しかったな」
「え? 類、チョコ貰ってないの?」
「......牧野、俺にくれてないじゃん」

チラッと牧野を見て、わざとらしくフンッとすれば、
何故か驚愕の表情でナイフとフォークを持ったまま固まっている。

類は、いっぱい貰ってるのかと......
甘いもの苦手だし......

少し俯いて、ボソボソと言い訳のような牧野の声も気持ちが良い。

「あ、笑ってる。 また、揶揄ったのね」

頬を膨らませて睨んでくるけれど、
俺が笑ってるって気付くのは、きっと、牧野だけなんだよな。

そもそも、俺が笑ってしまうのは、牧野だからなんだけどな。






















牧野の部屋の前まで送って、一度、車から降りると、
両手に抱えた紙袋をガサガサさせて、
「あ、あの...これ...貰いものなんだけど......」と、何故か一つを俺に差し出してくる。

「......類、チョコ貰ってないんでしょ?」

貰いものって......俺が買ってあげたやつじゃん。
ほんと、牧野ってデリカシーの欠片も無い。

呆れを通り越して、思わず夜空を仰ぐ。

「だ、だって、あたし、今日何も持ってなくってね......」
「......だからって、普通、貰ったものをあげた本人に渡してくる?」
「......だよね。 ごめん」

別にチョコ欲しい訳じゃない。
牧野の言っていた通り、甘いものは苦手。

「だからパリに帰る前に、何としてでも頑張って、もう一度あたしに会う時間を作って...!」

「......」


その懇願に頭上にあった夜空の星が全部、落ちてきたような衝撃を受ける。


「今日は何も用意していなくて......」と、俯く牧野。


「......いいよ。 それで」

そう、そっと指差せば、
「あ、いいの?」と、意外そうな表情。

「うん。 それ、欲しい」


再度、差し出された紙袋をスルー。
両手が塞がっている牧野をそのまま抱きしめたら、
「え......」と、固まる。


「くれるんだよね?」
「え? ...あの...るい......?」

「俺が指したのは牧野だよ」
「......!!」


風に揺れる黒髪を耳にかけて、
「何も用意してないんだろ?」と、囁けば、
「ヒッ...!」と、声にも言葉にもならない感じで喉を鳴らすから、笑いそうになる。


「チョコよりも牧野が欲しいな」


狼狽えていた牧野が急に大人しくなって、その表情を確かめようとすれば、
思いがけず、ギュッと背中に手を回されて、俺の方が困惑する。


「甘くないから食べてくれる?」


......なっ!



「......牧野は、甘いと思います」
「どうだろ? 確かめてみてよ /// 」





確かめるように口づけてわかったことは、
どうやら牧野は、俺が牧野を想うのと同じぐらいに、

俺のことが好き。










With all my love on Valentine’s Day.










Fin.














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category: 短編

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恋と幼馴染と(2020VD) 






初めて貰ったのは大学1年のとき。
その前年は貰っていない。

手作りとは言っていたけれど、
明らかにミルクチョコレートを溶かしてまた固めただけのもの。
「油の味がする」と、別にダメ出しをしたつもりは無く、単純に感想だったのだけれど、
やけに不貞腐れて睨まれたことを憶えている。
「もう絶対に類には作らないから」なんて、プリプリしてた。

二度目は大学2年。
つまり例のプリプリの翌年。

今年は買って来たよと渡されたのは、
お菓子メーカーがこの時期に出したであろう、なんちゃってトリュフで、
やっぱり油の味がして、それでも前年の例があるから黙っていたら、
「お口に合わなかったようですね...!」なんて、
不貞腐れたかと思ったら恨めしそうな表情をしてた。

三度目は去年。大学3年。
恨めし気に睨まれた翌年。

奮発しました。と、鼻息交じりに差し出されたのは、
百貨店の催事で買って来たと言わんばかりの紙袋に入っていた。
期待を込めた目で見つめてくるから、そのガナッシュを一つ口に放り込んだ。

「こーゆーの、来年は作って」
「は?」

希望を述べたら、俺を凝視して固まってた。





「ご友人がお見えです」と、呼ばれたから、
牧野だと確信して、ドアを開けると、あきらと総二郎だったから、
そのままドアを閉めて二度と開かなかった。
ドンドンされても、開けろと叫ばれても無視。

今日はバレンタインデー。
俺は大学4年。
もうすぐ卒業。

去年3度目にしてようやく希望を口に出来た俺としては、
今年は盛大に期待している訳で。

こうして朝からずっと牧野が訪ねてくるのをひたすら待っているのだ。

期待してしまうのは、今現在、現時点で、牧野がフリーであること。
去年までは友達の彼女だった。

ついに俺もバレンタインデーのプレゼントを用意できた。
今年こそ、何の躊躇いも無く、下心ありで贈れるのだ。


心臓が痛い。





コンコンコンコンコン...と、いつもの倍ほどのノック音と同時に扉が開かれる。
「類様、来ましたよ。お見えになりました。牧野様ですよ」と、
慌てたような使用人が「ほらほら」と、言った感じで俺を急かす。


深呼吸。
あえて平静を装い、ゆったりとした動作で牧野を部屋へ迎え入れる。


「昼寝してた?」と、呑気な牧野の声に、
「ちょっと...」と、適当に返す。

寝てない。
めちゃくちゃ起きて待ってたんだけど。


「今年はね、集大成だよ」と、
何のサプライズ感どころか恥じらいさえもなく「はい」なんて。
この日らしい、ちょっと不器用なラッピングに胸が高鳴る。

ほろ苦いチョコレートが溶けると同時に舌の上で弾ける。

「......なに、入れた?」

途端に広がった苦みに思わず眉間にしわが寄る。

「ゆずだよ。ゆず。流行ってるでしょ」
「......」
「え? 美味しくないの?」

意外そうな驚き顔の牧野の口の中に、コロンとそれを放り込めば、
ん?...と、言った表情の後に、眉間にしわを寄せる。

「ごめん。味見しなかったから...」と、申し訳なさそうに項垂れるけれど、
すぐにバッと顔を上げて、何故か睨んでくる。

「類って、そーゆーところあるよね!」
「なんだよ?」
「こーゆー時は、嘘でも美味しいよ。ありがとうって言うもんだよ」
「......」

「そーゆーとこだよ。類に彼女が出来ないの」
「......」






















「類、お前には酷かもしれないけどな、牧野は別にお前に告白しに来たわけじゃないと思うぜ」

知ったような口ぶりの総二郎を睨む。
ふて寝をしようとベッドに潜り込んだところでドカドカとやって来たあきらと総二郎。



3年前を彷彿とさせるプリプリさ加減で、帰ろうとする牧野を呼び止めて、
「付き合う?」って、聞いたら、
「はあ!?」と、盛大に仰天された挙句、
「チョコあげたからって付き合うとかじゃ無いから」なんて......。

世の中には義理チョコと言うものが存在し、例年そうだったではないかと、
今までだって、友チョコみたいなノリだったとか......。



「奇跡が起きれば付き合えるかもな」
「だな」

二人が笑いながら、これから牧野のところへ行って告白して来いとか言うけれど、気が乗らない。

「何を今更落ち込んでんだよ? まさか、お前、自信あったのか?」と、
心底意外そうにあきらが言ってくるから、口を噤む。
自惚れていたわけじゃないけれど、まあ、ちょっとは自惚れていたのかもしれない。

「類よ、お前はお前が思うよりずっと牧野には恋愛対象で見られてないぞ」

総二郎の憐みの視線が突き刺さる。

「でも、俺だけじゃん」
「「何がだよ?」」

「チョコ貰えてるのも、普段から一緒に出掛けたりしてるのも」
「だからと言って、その好きが全部恋愛感情とは限らないんだぞ。な、総二郎」
「ああ。 お前はそーゆーの分かんないかもしれないけどな、そう単純じゃないんだ」

「俺はチョコ牧野からしかもらったこと無いし、まずくても全部食べてるし、
 一緒に出掛けたり喋ったりするのは牧野だけだよ。
 それは好きってことじゃん」


「「だから!」」 と、二人の声が重なる。


「それはお前の物差しじゃねぇーか。お前がそうだからってみんなそうじゃねぇーんだって」
「お前と一緒に出掛けるとか良く喋るとか、チョコ渡してるからとか、
それは別に大きな事でも何でも無いんだって!」

「なんだよ...それ.......特別に思ってるのは俺だけってことかよ?」

「だから! 何故、今更そう意外そうなんだよ!?」
「お前の特別は分かるけれど、それは世間一般には当てはまるものじゃねぇーよ」

呆れたような顔をしていた二人が、いつの間にか苛立ちを隠そうともしなくなっていて、
俺にとっての牧野のように、
幾ら牧野が良く一緒に出かけたりお喋りをしたりする男が俺だとしても、
俺と同じような特別感は無いのだとか、全く意味がわからない。

「俺、4年連続でチョコ貰ってんだよ?」

「だから?...って、感じだけどな」
そもそも去年までは完全なる義理だろうと、あきらは大袈裟に肩をすくめる。

「今年は? 牧野、彼氏いないじゃん。
 それなのに今年も俺だけにチョコくれたんだよ? しかも手作り

「義理だろ」と、総二郎がピシャリ。
「お前には世話になってるとか、アイツ事あるごとに言ってっから」と、あきらが頷く。


無造作にフローリングに置かれたままの小さなブーケをチラリ。
溜息。


「仕方ねぇーな。 俺とあきらで奇跡を起こしてやるか」
「おっしゃ。 奥手な幼馴染に初めての恋人をプレゼントだ!」


パンッと二人が、両手を合わせて愉快そう。





***





アパート前に出てきた牧野と向かい合う俺。と、総二郎とあきら。

「牧野、お前、その気もねぇーのに期待させんなよ」

開口一番の総二郎に、急に呼び出されて訝し気ににしていた牧野の表情が曇る。

「類のことだよ」と、続くあきらが、
俺が牧野以外の女と親しくしていないのは知っているだろうと、
それがどういう気持ちであるか分からない訳ないよな?と、珍しく詰めて、牧野はたじろぐ。

バレンタインデーにチョコあげるの類だけなんだろ?と、
そんなもん、男は勘違いするぞと、
それを勝手に勘違いしてみたいな態度は良くないと、更に総二郎が畳みかける。

「な、類、お前も言いたいことあるんだろ」と、「ほら」と、二人が俺の背中を押す。

「俺は牧野は俺のことが好きなんだと思ってた。
 今日は告白しに来たんだと思った」

思いっきり顔を引き攣らせた牧野を構いもせずに、
「だよな! 普通はそう思うよな!」と、あきら。
「類は告白されると思って、朝からずっと待ってたんだぞ。なっ?」と、俺を見る総二郎。

「ん...。 だけど、義理とか友チョコだとか言われて......」


「類の気持ち知らなかったとか、そんなん話になんねぇーから」
「思わせぶりな態度で何年も...酷過ぎ」


二人に責められる牧野が、どんどん顔色を失くしていく。


「お前、類と付き合えよ」と、あきらが一歩前へ出る。
途端に一歩後退る牧野。

「司と付き合えて類と付き合えねぇーとか無いからな」と、総二郎がガッと距離を縮める。


「そ...そんな......あたし、類のことは...その......」

「「好きだろ!?」」

二人の勢いに牧野が仰け反る。


「ど、道明寺のこともあるし......!」

「司とは付き合えて類とは付き合えねぇーってなんだよ!?」と、
吐き出すような総二郎の口調に怯む牧野。
「大体、司より類の方が良いところいっぱいあるぞ!なっ!?」と、あきらが俺を見る。

「俺は司みたいに暴力的じゃないし、デリカシーもある」

「だよな」
「だよな」

うんうんと頷く二人と、泣き出しそうな牧野。


「ほらっ、類っ、ちゃんと言えよ!」
あきらが俺をグイッと牧野の前に出す。
「ビシッと言ってやれ!」
総二郎が大きく頷く。


「俺、牧野が好きだよ。 付き合って欲しい」


背中であきらと総二郎が「よく言った!」感を出しているのが伝わってくる。
正面の牧野は失った顔色のまま大口を開けて固まっている。

「「もう一息」」と、背後から「いけいけ」と、声が掛かる。


「毎日、好きなことして良いし、闘いの必要も無いよ。
 付き合って」

背後から渡される小さなブーケを受け取って、
牧野の前にそっと差し出す。
今日この日の為に初めて用意したバレンタインフラワー。

「好きです」

驚愕の面持ちを崩さず......そうして、なし崩し的にブーケを受け取った牧野が、
まさに目を白黒させ始める。


「牧野、返事してやれよ」
「付き合うよな?」
「ここまできて付き合わないとかねぇーから」
「類が愛の告白なんて生涯一度きりだぞ」
「ここで断ったら、お前、マジ最悪だわ」
「ただの悪女」
「類の彼女になれよ」
「類、牧野のこと幸せにするもんな?」

「うん。する」

「類は優しいぞ」
「浮気なんて絶対しねぇーぞ」
「一途だからな」
「司と付き合えて類と付き合えない理由なんてねぇーだろ」
「お前はゴチャゴチャ考えすぎ、素直になれ!」
「ここで意地張ったら死んでも後悔してお前、成仏できねぇーぞ!」


一歩、また一歩と無意識の内に後退っていた牧野は、ついにアパートの外壁に追い込まれ、
ブーケを手にしたまま、俯く。


「そのブーケと一緒に、俺の気持ちも受け取ってくれる?」
「......」

「受け取れよ牧野」
「今更、好きじゃないとかふざけんなって感じだぜ」

「あきら、総二郎も、ごめん...ちょっと黙ってて」


完全に涙目の牧野が、小さく鼻をすする。


「その花は...赤いチューリップの花言葉は、『 愛の告白 』 だよ」

チラリと目だけを上げた牧野に、「知ってるだろ?」と、聞けば、小さく頷く。

「ピンクのチューリップは...知ってるよね?」と、牧野を見つめれば、
小さな唇が動く。

知ってるよ。 愛の...芽生え......

「うん...そうだろ?」


小さく、それでも、ブーケに顔を埋めるように頷いた牧野が、
2月の寒空の下で、ちょっぴり震えるから、抱き寄せて、抱きしめる。


「好きだよ。牧野」

あたしも......


振り返れば二人は消えていて、
なんだかんだ、俺には最強の幼馴染がいて、
あきらと総二郎に鬼気迫るものを感じたと、また、ちょっぴり震える牧野は、
でも、あの切羽詰まった感が無ければ、素直になって良いと気付くことが出来なかったと微笑む。


「俺の幼馴染は怒らせたら怖いだろ?」
「ほんとだね」

クスクスとした笑いが、冷たい風に舞うみたいに転がって行く。

「道明寺より類の方が良いって、あれ、道明寺が聞いたらキレるよ」
「でも、事実だからな。仕方ないよ」

口の中いっぱいに広がった苦みも、追いかけてくるチョコレートの甘さに、
口元が緩んでいくのは、この恋に似ていて、
だから俺は、今日と言う日が特別に思える。

「道明寺と付き合えて類とは付き合えないのは意味わかんないって言われて、
 そういうものなのかな?って、そういう考え方もあるんだなって思った」

愉快そうな牧野は、寒いから部屋入る?なんて。

「ずっとね...道明寺の後に類と付き合うとかは無いって思ってたから......」

「俺の幼馴染は、すごいだろ?」
「道明寺も幼馴染でしょ?」
「アイツだってすごいよ。 きっと、俺たちを祝福してくれる」

バタンと後方でアパートのドアが閉じられて、
ちょっぴり冷たい牧野の小さな手のひらを温めるように包み込む。


「来年も再来年も、ずっと、俺だけにチョコちょうだい」
「うん...類もあたし以外からは貰わないでね」

「当然。
 そんなことしたら、俺の幼馴染がまた大騒ぎするもんな」


小さな牧野の部屋に笑い声が響いて、
ただ、受け取っていただけのチョコレートが、特別な意味を運んでくる。

「いつもありがとう」の言葉よりも前に。


「るいがスキ.../// デス...... ///

「いー響き」


4年連続4回目の今夜、
ついにチョコレートは、俺だけのものになった。










Fin.









category: Love&Old playmate

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

更新予定 






お久しぶりですね。
ご訪問ありがとうございます。

珍しく忙しくしておりました。

全く落ち着きませんが、バレンタインデーがあるということで、
とりあえず、チョコを買い漁っております。

ま、そんな私のチョコライフはどーでも良いのですが、
(二次的に)イベントには、なるべく乗っかっておこうという気持ちはあるので、
久々の更新はバレンタインデー話になります。

こちら、また来月のホワイトデーに続くものなので、
今回のお話は序章的な短編です。

つまり......来月のホワイトデー付近まで、また、更新が無いw

いやあ、間を埋めるのに何か書きたいんですけどねぇ......
そう、ポンポン書けないので、気長にお待ちください(__)

ほら、来月はホワイトデーの後には、類のバースデーでしょ。
それも考えなければ...!(気合)ですから。

久々の更新は明日になります。
よろしくお願いします。




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