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花より男子 二次創作小説 CP 類×つくし

 

What's … between friends? 10 

Chapter : 10





商談を終え、車に乗り込む。
首を左右に動かして、背中を預ける。

「類様、このままつくし様歩お迎えに上がりますね」
「ん」

今日は日本での披露宴で出す料理をつくしの希望により二人で試食。
そんなもの、全く、興味なんて無いけれど、
試食できますよって言われて、つくしの顔面は、みるみるみ、ぱぁぁぁっ、と、なった。
あんな顔見せられたら、「いいよ」以外の言葉なんて見つからない。

「つくし様、うきうきしてらっしゃいましたね」

思い出し笑いを浮かべる田村。
見ないふりで無視。

「お仕事も続けて頂けるという事で、ホッとしていますよ」
「秘書、あと二人ぐらい補充しよう」
「いいんですか?」
「ん。つくしがヤキモチ焼くから男でね」

「そうですね」と、応えた後に、何故かまた、フフフ...と思い出し笑いをしているから、
呆れた視線を向ければ、
「つくし様が、 是非、私が!と、立候補してきた時は意外だったので驚きましたけど」

「立候補...?」

「はい。 類様の拘りと言いますか、気難しさと言いますか......」
言葉を選びながら、田村は、俺の秘書業務を一人で続けるのに限界を感じていた頃、
つくしの方から、「では、私が...」と、
俺には内緒だったのだけれど、「ご結婚祝いに...」と、楽しそうに話す。

なにその結婚祝い。
嬉しいんだけど。

「類様が意地悪をされて、
 見合いをして結婚すると言い出した時は、とても落ち込んでらっしゃいまして......」

田村に、俺への見合い話はどれぐらいきているのか、
俺はお見合いの席に出向いているのか、
気に入った相手はいたのか......
つくしは、落ち込みつつも、やや強引に田村に詰め寄っていたらしい。

「つくし様と交際されているのですから、見合い話なんてありませんよと言っても、
 中々、信じて頂けず......」

苦笑する田村から、秘書室でつくしがどんよりと肩を落としている姿が想像出来て、
何だか俺の気分がうきうきするような、へんな感じ。


「意地悪はいけませんよ。
 好きな女の子に意地悪をするなんて、子供のすることですよ」

嗜めるような口調にもイラッとしない。

「大人の男は、やはり、包容力、これですよ」

経済力は問題ありませんもんね...と、田村は相変わらず喋り続ける。

「これからは意地悪などせず、つくし様の夫として、大人の男の振る舞いを......」

口うるさいから、少しづつイライラしてくる。
無視するように車窓を眺める。

「ご結婚をされても、デートにはお連れになってくださいね」
「......」

何故にこの男に、こんなこと、言われなければならないのか。
一体何のつもりだ。
イラッとする。

「つくし様、月に数回の類様とのデート、いつもとても楽しみにしてらっしゃいましたし......」
「......」
「類様は褒めた後に、嘘だけど...とか、照れ隠しなのでしょうけれど、
 それも、やめた方がいいですよ?」
「は?」
「類様とのデートに着て行きたいとボーナスで色々と新調しているのですよ」
「......」
「それなのに類様は、いいねとか可愛いねと言った後に、
 馬子にも衣裳とか、失礼ですし、可哀そうですよ」

ジロリと睨まれて、目を逸らす。

「しかも、デートのつもりでお洒落してきたの?とか言うらしいじゃないですか」
「......」
「なんなんです? 信じられませんよ......」
「うるさい」


つくしめ、田村にまでペラペラと何でもかんでも話して!
俺が褒めたって、そう?みたいに、すましていたのにさ!


「とにかく、今後は、照れたり子供じみた嫉妬なんてしてる場合じゃないですよ」
「......」
「つくし様に愛想尽かされたら、類様、本物の一人ぼっちになってしまいますよ!」
「......」


散々、我儘放題で好き勝手に振舞って、
そんなことを許容し一緒にいてくれる女性はつくし様だけですよ、わかってるんですか!?なんて、
いつまでも口うるさい田村に背を向けて、耳を塞ぐ。


わかってる。
俺には、つくししかいない。

わかってるから、
どんな形でも、手放せなかった。

ひとりぼっちがこわかったわけじゃない。

これくらいなら、欲を出しても良いと思ったんだ。
こんなに愛しているのだから、
同じ温度で同じスビートで歩いて行くことぐらいは。






















つやんとしている頬に指を滑らす。
びっくりしちゃう顔も見慣れているけれど、好き。


「なんか、大人っぽいな......」
襟の付いたスクロールモチーフ入りの黒いレースワンピース。

「似合ってる」
「あ、ありがとう /// 」

その首筋に軽くキスを落とすと、ひゃぁっと声を上げて飛び上がる。
好き。

「綺麗だよ」
「 ...... /// 」

本当は、ずっと、いつだって、可愛くて、
綺麗だと目を奪われることだってあった。


褒め殺して、真っ赤にさせて、あわわとするのを見ていたかった。


「いつから好きだった?」
「うん?」
「俺のこと」

頬の赤みが一瞬にして、首にまで広がって、
このワンピースに襟が無ければ、そのデコルテも赤くなっているのが丸見えだっただろう。

「当ててみて」

そう、微笑んだ、その表情が、今まで知らなかったぐらいに澄んでいて、
こんな透明な笑顔を持つ者が、この世に存在していたことに驚愕する。


綺麗だな。
歩き出す姿勢の良い背筋も、肩のあたりで揺れる黒髪も。

振り向いて、伸ばす、その手のひらも指も、
「るい」
俺を呼ぶ唇も、微笑む透明さも。

綺麗だな。


披露宴当日は主役である俺たちにも料理は提供されるけれど、
まず食べられないと思えと言われ、がっかりしていたつくしだから、
今夜の試食会を、とても楽しみにしていた。

「わ!すごい!」とか「え!なにこれ!」とか、いちいち感嘆の声を上げては、
「美味しい...!」と、相変わらずの食欲旺盛ぶり。


「俺は、高校生の時からだよ」
「...ぅん?」

食事を飲みこみながら、何?って、首を傾げてくる。

「つくしを好きになったの」
「ずっと...? なの......?」
「ん...。 多分、何回か諦めたって言うか...断念したと言うか......」
「だんねん......」


唯一の女友達だった。
好きだったけど、言わないでいた。

友達だったら、ずっと、続いて行けると思っていたから。


「断念出来ていなかったら、今、ここに、こうして、いるんだけど」
「...類があたしを好きなんて、全然わからなかったよ」

思い切った告白だったのに、つくしは肩を竦めた後に笑い出す。

「つくしは、司と別れて...から、だろ?」
「それはそうだよ。 あ、今のこれヒントだよ」
「ヒントになってない」
「なってるよ。 道明寺と別れてから今日までの間に、
 いつ、あたしが類にフォーリンラブしたのか」
「......」

クスクスと面白そうに笑うから、無言になってしまう俺をお構いなしに、
にこにこと料理を平らげて行く。

「キスした時?」
「ブー。違いますー」
「......」

キスしたいと言うより、キスさせてくれるかな?
そんな気持ちでキスをした。

それ以前なのかそれ以降なのか、聞いてみるけれど、
「またヒント?」と、チラリと俺を見る。

「キスする前だろ?」
「なんでそう思うの?」

「つくしは、好きでもない男にキスされて、応えるような女じゃないから」

そんなことは、誰よりも俺が一番、理解していて、
信頼していたのに、
俺は自分を守りたくて、
キスも、からだをゆるすのも、そう思わないように努めていた。

「大学卒業する頃だろ? 俺を意識し出したの...」
ピンポーン...正解......」

俯いたつくしが、次に顔を上げた時に、息を呑んだ。
瞳を潤すみたいな涙が、ポロリと頬を伝って、
それが、とても綺麗だったから。

「憂鬱になりそうな時、いつも図ったように類が来てくれて、
 あたしは救われていた」

支えたかった。
「へーき」って、泣き笑いをする君が、とても哀しくて、
とても、愛おしいと思ったから。

「みんな、頑張れって、いっぱい、励ましてくれたけど......」

守りたかった。
泣きながら、「へーき」って、笑った君が、とても哀しくて、
とても愛おしかったから。

「類は、頑張ったねって......」

幾つも季節を刻んだ様な透明な涙に、
奪われたのは、きっと、ずっと、前。

「ありがとう。 いつも、あたしのそばで笑っていてくれて」

それだけで、救われていたと、
そんなの、
全然、俺、たいしたことしていない。

たいしたことどころか、何もしていない。

ただ、一秒でも長く、
そばで、出来れば隣で、
笑っていたかったんだ。

笑ってくれるなら、笑っていたいと、思ってたんだ。


「だから、あたしはへーきだったよ!」


そう、涙の残る笑った顔が、
とても、愛おしくて、

ただ、愛している。









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