The Masterplan 30
カテゴリ: The Masterplan / テーマ: 二次創作:小説 / ジャンル: 小説・文学
Chapter : 30
広い店内はカウンターの他に壁際にテーブル席が点在。
中央にはグランドピアノ。
無論、照明も何もかも落ち着いた大人と言うよりはセレブって感じの空間。
その入り口から近い扉を開けると少し明るい廊下が続いていて、間接照明に照らされている生花の香り。
「お疲れ様。待ってたよ」
一番奥の部屋に案内されて、扉を開ければこれまた広い空間にはグランドピアノ。
あたしに穏やかな声を掛けて入口までスマートに迎えに来てくれるのは、この店の経営事業主である美作商事の専務美作さん。
「久しぶりだね。迷わなかった?」とキラリと音まで出そうなほどのスマイルを見せるのは西門さん。
週末の夜。
予定通りに集う類の幼馴染とあたし。
「類はもうちょっとかかりそう?」
「はい...」
花沢が事業を売却する予定だったインドネシアの会社でトラブルが発生したと連絡があったのは夕方も過ぎた頃。
類が直接関わっていた事業では無いものの状況がクリアーになるまでは社内待機。
秘書であるあたしも残るつもりでいたのだけれど、田村部長と桐ケ谷主任で事足りるって言うのもあって......。
「軽食だけど...足りる?」と美作さんがテーブルの上に並べられている食事に視線を促しながら聞いてくる。
サンドウィッチにサラダ、オードブルがテーブル2枚分に並べられていて、フルーツにプチガトーやプリン等のスイーツも充実。
軽く眩暈を感じる。
だって食べるのきっとあたしだけ。
「牧野に食事をさせて」と類が美作さんに電話をしたらしい。
「お腹すいちゃうからね、先に行ってて」とあたしに微笑んでいたのは、不透明なトラブルであたしを残業させるのは忍びないいう類の気遣いだと思っていたけれど、普通にあたしの空腹を心配してのガチのやつだった模様。
「類がちゃんと食わせろってしつこくてさ」と苦笑する美作さんは、とりあえず適当に用意したけど足りなかったり他に食べたいものがあったら言ってねとウィンク。
「大丈夫です」と恐縮しながら応える心中ではウィンクに突っ込みを入れるあたし。
「類が女性の事を考えて気遣いを見せるなんてな...マジ変わったなアイツ」
感心したような西門さんがまたしてもキラリとスマイルを飛ばしてくるから圧倒される。
分かっていて飛ばしてきていると分かっていても心臓に悪い。
ただ無駄にスマイル飛ばしてくる男にろくな奴はいないと心中思う。
乾杯しようか...と美作さんに手渡されたのはワインベースのカクテル、ローズロッサ。
アーモンドやバニラの風味が広がる。
「ところでずっと気になっていたんだけど...」
食事を始めるあたしに美作さんが話始める。
「牧野さんに最初は恋人の振りさせただろ、アイツ」と、それは何故?と聞いてくる。
やはりバレている事実にあたしが苦笑する。
「別に振りをしていたのはどうでも良いんだけど...ただ類がそこまでする理由がわからんくてな」と西門さんは首を傾げる。
今までの類は恋人がいないことなど全く気にしておらず、自分や美作さんに見栄を張る理由も無かったと言う。
「女なんてうるさくてあざとくて面倒だって言ってたしな」
そう続く美作さんも、それが急に聞いてもいないのにまさに3人揃ってさあ飲もうか...といったところの開口一番に、「彼女が出来た」と言って来た時は驚いたよなと西門さんと頷き合う。
多分、それはあたしを連れ込んだ翌日の夜のことであろう。
「この春から自分の秘書になった一つ下の女性で髪は長い。黒い。ってな」
クックッと思い出したように笑う西門さんは、「子供の頃からの付き合いだけど初めて浮かれてる類を見たわ」と笑う。
「マジびっくりしたぜ。 類がベラベラと女の事話すなんて初めてだったから、それで俺花沢に行ったんだよ」と美作さんがあたしを見て微笑む。
「牧野さんに会いにね」と。
あの日美作専務が訪れてきたのはそんな理由だったのかと驚く。
「で、総二郎に報告してな」
「そそ。 なんか彼女っぽくなかったぞって聞いて」
二人は笑い合う。
それは美作さんがあたしに類の彼女だろうと確認した時のあたしが妙に驚いて絶句していたからとのこと。
「だから初めて牧野さんに会った時...恋人の振りをさせられてんだろうな...とは思ったんだけど......」
「もしかして本当に付き合ってるのかも?みたいな雰囲気もあって迷った」
「でも、まあ...あの報酬でそれは確信になったわけだけど」
二人が笑うのであたしも笑う。
実際に恋人の振りをしていたのだと。
そして報酬は1万円だと思っていたら100万円入っていてぶったまげたのだと。
「でも...最初に二人に恋人が出来たってお話をした時の類は...嘘じゃ無かったんですよ」
だって類の脳内ではもうキスもしたし胸も触ったし...一緒のベッドで寝たんだから彼女でいいよねって、そうなっていた訳だから。
「色々あって、あの時の類はもうあたしと付き合っているって思ってたみたいで......」
「「色々?あって?」」
詳しく。ばりに身を乗り出してきた二人に驚く。
「えっと...だから...その...あたし酔っちゃって...って、それも本当なんです!」
簡潔に言えば初めての接待の席でお酒を勧められ、会食終了後に緊張の糸が切れて酔いが回り、まあ介抱と言うか...何と言うか......。
「「あぁ...やっちゃったのか」」
なるほど。あるあるだな。と頷き合う二人に、違うそうではないと首を振るけれど......。
「類もそういうことするんだな」
「意外だな。 誘われても断るタイプだったのにな」
「やっぱ最初から気に入ってたんじゃね?」
「だなー。 類が自ら女の話とかしてきたの初だしな」
「でも...かわいいな類。 やったから付き合ってると思い込んで俺とあきらに自慢気に言ってきたのに、まさか牧野さんには付き合ってるつもりなんて無いとか言われたわけだろ?ぶぶっw」
「マジかわいい。 それで彼女の振りでいいからって連れて来て俺らの前で彼氏面してな。ぶっw」
「「しかも100万で!」」
アハハハハ、アハハハハハハハハ!
大笑いを始めたイケメン二人を前にあたしは無の心境でサンドウィッチからフライドチキンへと流れるように食事を進める。
少し類が可哀想なのと、そんな類をかわいいかわいいと甘やかす者がここにも二人いるという事実に呆れながら。
「あきら出張中に類と二人で飲んだんだけど、俺にデートについて聞いてきたのよ。かわいかったわ」
「デートについてってなんだよ?w 誘い方とかか?」
「どういうところに連れて行けばいいとか、どんなデートをすればいいのかとか...中学生みたいな事だ」
「ぶっw 夜のお誘いの仕方かと思ったのに...やべえな。かわいいすぎだろ」
アハハハハハハ!
「静のこともな...俺とあきらに何とかして欲しいって泣き付いて来たんだぜ」
「え?...グッ...ぐふっ...」
二人が話しに夢中なのを良い事に生ハムを夢の10枚一気食いをしていたあたしは驚きのあまり咽る。
「大丈夫? 落ち着いて食べて」と美作さんがあたしの背をさすり、ミネラルウォーターを渡してくれる。
「静さんの...こと?って?」と聞き返すあたしに、「静のことで牧野さんが嫉妬して不貞腐れちゃってるって」と肩を竦めながら言う西門さんと「俺と総二郎に一緒に来てフォローして欲しいってな」と笑う美作さん。
類に女のことで頼まれ事なんてしたの初めてだったと二人は「かわいいな」とまた笑い合う。
「あたしが嫉妬?」
違うの? と首を傾げる二人に、嫉妬と言えばそうだけど忘れてはならない事実があるだろうとあたしは話す。
「だってあたしと付き合ってるって二人に言ったところで本物の恋は静さんとであるって言ってた男ですよ?」
そうだったな...と二人は納得顔。
「でも、俺らに泣きついて来た時は完全に牧野さんしか見えてなかったぜ」
「静のことは子供の恋愛ごっこみたいなもんだとか言ってたしな...でも..それをつい最近までマジでしてたの自分自身なのにな。 あほなところあるよな」
「あほなんだよ。いつまでもいつまでも静に幻想抱いてな」
「静も類に理想を押し付けられてな...きっぱり言えば良かったのに」
「それな。...でもそれって静は静で迷惑に感じてなかったのかもな」
「ああ...類の理想は静の女性としての理想でもあったのかもなー」
「「ヘンな二人だったな」」
うむ。とまるでこれで完結。みたいな雰囲気の西門さんと美作さん。
「類の理想か...」ふと呟いたあたしの声に、「今はもう静じゃなくてそれは牧野さんだろ」と「牧野さんのこと好き好き大好きオーラ半端ないから気にするな」と二人は笑う。
気が付けば両サイドから肩を抱かれている自分の状況に驚いて、その手を振りほどくように立ち上がろうとするけれど、まあまあ...と二人に腰と背を支えられて身動きできず。
「ちょっ...あのっ...」
「司に会ったんだって?」
「牧野さんのこと牧野って呼び捨てにしてたぞ」
「友達だからな!ってなんか偉そうに言ってたわ」
「俺たちの方が出会いも早く、静との事では色々世話焼いて助けてやったのに、よそよそしいじゃん」
「そんなことは...!」
「じゃあ、俺らもこれからはつくしって呼ぶな」
「な、なんで!?」
「だってすぐ類と結婚するじゃん。 苗字より名前の方が良いだろ」
口角を上げる西門さんの眩いスマイル。
反対側からは肩に回した手のひらであたしの髪のれ歩一束掴んでサラサラと流す美作さんの微笑。
「「つくしちゃん」」
「何やってんだ! 離れろっ! 触んな!」
類の珍しく大きな声が響いてあたし達3人は同時に肩を揺らし、そうして類によって力任せに引き離された。
***
「ちょっとふざけすぎただけだって」
「からかっちゃってごめんて」
総二郎とあきらが「わるいわるい」と全く悪くなさそうに謝って来るのが更に俺を苛立たせる。
友達の恋人にまで手を出すなんて二人のこと見損なったと言う俺に、「大袈裟」だと総二郎とあきらに加わって牧野までがブーブー言い出してキレそうになる。
「牧野は俺の恋人だろ。なんであきらと総二郎の味方するんだよ」
「味方とかじゃ無いでしょ...」
「類、束縛はダメだぞ」
「男の嫉妬はみっともないぞ」
「みっともなくて結構! もう!触んなって!」
「酒渡しただけじゃねーか! うるせーな」
酒も渡すな、俺の恋人が飲む酒をお前が作るなとあきらを睨めば、バカじゃねーの!と呆れ顔をされるけれど気に入らないんだ。
「あきらも総二郎も牧野に勝手に話し掛けないでよ」
「何言ってんだよ? マジ...引くわ......」
引かれるのも理解しているし最近の俺はどこかおかしい自覚もある。
「......独占欲がやばいんだけど、お前等はマジ恋した事無いから分かんないもんな」
相談相手にもならない友人なんて、最早ただの子供の頃から知っているというだけの人間である。
「役立たず!」
「「はあ!?」」
デートや女性の扱い方について散々レクチャーしてやったのに何だその言い草は!と憤慨しているあきらと総二郎は無視。
「牧野ご飯は食べた? お腹はすいてない?」
「食べたし...ってか、そんな事はどうでも良いよ!」
散々お世話になった西門さんと美作さんになんてことを言うの!?と牧野も怒り出すから、またまた二人の味方なんて!と俺も不機嫌になる。
「ったく、お前は子供の頃からそーだろ。 静への独占欲丸出しでギャーギャー言ってたじゃねーか」
「静、静って後ついて回って、静とペアになれなかったら不貞腐れてな」
「何言ってんだ...! やめろ!」
牧野の前でまた静の話なんて!
慌てて牧野を振り返れば、何とも言えない目つきでジトリ...と俺を見ている。
その口元は歪んでいて、次の瞬間には引き攣らせた顔で溜息。
「留学する静に俺を置いて行くなって縋ってな」
「そ、そんなの中学とか...子供の時の話で...! やめろ!」
「何かのキャンペーンガールになった静の水着のポスター見て裸みたいな恰好するなって怒ってな」
「そのポスターに街中でキスするっていうイタイ行動もあったな」
「やめろっ!!」
***
あきらと総二郎への「役立たず」発言を撤回。
恐ろしい二人だ。
俺のこれまでの過ちとでも言うべき数々の静への妄信のほぼ全てを把握しているのだ。
幼馴染も善し悪しである。
未だ放心状態のような牧野をチラリ。
「牧野も知ってるだろ? 俺がイタかったことなんて......」
俺が拗らせていた片想いにドン引いていたのは牧野でしょと見つめれば、また一つ溜息を落として「西門さん、美作さん」と、どう云う訳か牧野は二人に向き合う。
「良くないと思います」
ニヤニヤしていた二人は急な牧野の真顔の固い声に「ん?」と首を捻る。
俺も予想外の牧野の表情に戸惑う。
「人の恋愛をバカにするようなこと、最低です」
久し振りに決まった牧野のカミソリシュート。
あきらと総二郎が我が耳を疑うように見つめ合う。
「類が静さんを慕って憧れていたことのどこが笑えるんですか?好きな人の肌が自分以外の目にふれる事を嫌がる事のどこが可笑しいんですか?」
「いや...別にバカにしてたわけじゃないぞ俺たちは」
な?と総二郎があきらに同意を求めてあきらはそれにウンウンと頷く。
「類が俺らのことを役立たずなんて言うから、ちょっと揶揄ったと言うか...」
「そそ。それに、そんな子供の頃の好きとか何とかなんて笑い話だろ?」
「類、お前だって勘違いしてたって言ってたもんな!?」
慌ててその場を収めるが如くフォローし合うあきらと総二郎から視線を牧野に移せば、その姿は驚く程に凛としていて、まさに毅然とした態度。
「子供の頃の好きとかでも笑い話になるものとならないものがあります」
静かな牧野の声が響いてあきらと総二郎も動かしていた口を止める。
「類の場合は後者です。 ならないほうです」
確かに笑い話にするには痛すぎるもんな...と自身のことなのに恥かしさと言うか情けなさと言うか...思わず溜息が落ちそうになるけれど、「だって、それは......」と続けるる牧野の一言に、それは落ちる前に消えた。
「純愛だったから」
世界には自分と静しかなくて、彼女が話してくれる日常しか知らなかった。
それが全てで他は何もいらなかった。
それは恋と呼ぶには幼過ぎて、俺はそれを拗らせに拗らせて、いつしか恋も愛も憧れも全部まとめて放り出していた。
自分自身でさえ勘違いだったと結論付けた積年の想いを、どうして牧野がそう言うのだろうか。
胸が締め付けられるような感覚。
こみ上げてくる感情に戸惑う。
俺のその恋に大袈裟なまでに引いた表情で、失礼なほどに笑い転げていたのは牧野本人なのに......。
どうして、俺以外の誰も知らなかった俺の気持ちを牧野がその言葉にするのか。
「そのポスターにキスをするほど恋焦がれる気持ち、お二人には分からないんでしょうね」
何処か蔑みを帯びた牧野の声が響いて、その視線は呆れ返った感。
余りのことに驚く二人の気持ちも分かる。
俺だって言葉も無い程に驚いている。
「恋を知らない人が誰かの恋を笑うなんて、そっちの方がちゃんちゃら可笑しいわよ!」
確かに類の役立たず発言は酷いけれど、友達の恋をあんな風に笑い話にして揶揄うなんて!と、どこまで正義感が強いのだろうか。笑えてくる。
「類、帰ろ」
「うん」
罰悪そうな二人に「またね」と声を掛ける。
プリプリしていた牧野も少し冷静になったのか、急に直角に腰を曲げて「すみませんでした。失礼します」と二人に頭を下げる。
そうしてまた長く黒い髪がさらさらと流れる。
***
「あきらと総二郎の顔...思えばあんな二人の顔見た事無いかも...ぷぷっw」
割とああ言えばこう言うタイプの二人が絶句してたもんな。
しかも総二郎なんて珍しく目を見開いていたし、あきらなんてフリーズしてた。
「また...やってしまった......」と頭を抱えている牧野の耳にその黒髪を掛ける。
「牧野...ありがと」
「うん? 何が?」
顔を上げた牧野の大きな瞳が不思議そうに揺れる。
「俺の拗らせに拗らせた勘違い片想いのこと...あんな風にさ......」
「だって、全てだったったんでしょ?」
当然だと言わんばかりに牧野が言う。
子供だろうが勘違いだろうが、誰かや何かを自分の全てだと言い切れる事なんて、人生であるかないか...大体は無いぐらいのことだよと。
「でも純愛は言い過ぎだよ」
「なんで?」
「だってあれは...恋と言うより姉を慕う的な...親愛みたいな感情だったよ」
「うーん? 類本人がそう言うならそうなんだろうけど、あたしには純愛に思えるよ」
そんな風に言ってくれるのって牧野以外にこの世にいないと思う。
だから俺はこんなにも牧野つくしと言う女が愛おしい。
「確かに類の静さんへの想いは拗らせに拗らせたやばめの片思いだけどさ」
「やばめなのかよ」
「やばいでしょ。 しかもかなり重めのやばいやつよ」
そうだな...と苦笑気味に呟いて牧野の肩を抱き寄せる。
「今はもっとやばくて重いんだけど...牧野、大丈夫?」
「え?」
「独占欲がやばいって言ったでしょ?」
自覚していても止められない。
「どこかで仕様が無いとか仕方ないとか...諦められていたあの頃とは違うんだ」
今はもう仕様が無いも仕方ないも俺にはきっと通用しない。
何一つも諦められない。
守りたいとか受け止めたいとかそんな次元では無い。
「愛してるよ」
生まれて初めて言葉にした。
だって、それ以外の言葉では伝えられそうにも無いから。
「愛してる。 もうなんかどうしようもなく......」
ポロンと零れ落ちそうな瞳は吸い込まれそうな黒色。
真っ赤な顔と柔らかな頬に小さな唇。
思わず抱きしめたのは、締め付けられた胸の奥から込み上げてくる感情に、本当にどうしようもなく愛しているという言葉だけが溢れていたから。
広い店内はカウンターの他に壁際にテーブル席が点在。
中央にはグランドピアノ。
無論、照明も何もかも落ち着いた大人と言うよりはセレブって感じの空間。
その入り口から近い扉を開けると少し明るい廊下が続いていて、間接照明に照らされている生花の香り。
「お疲れ様。待ってたよ」
一番奥の部屋に案内されて、扉を開ければこれまた広い空間にはグランドピアノ。
あたしに穏やかな声を掛けて入口までスマートに迎えに来てくれるのは、この店の経営事業主である美作商事の専務美作さん。
「久しぶりだね。迷わなかった?」とキラリと音まで出そうなほどのスマイルを見せるのは西門さん。
週末の夜。
予定通りに集う類の幼馴染とあたし。
「類はもうちょっとかかりそう?」
「はい...」
花沢が事業を売却する予定だったインドネシアの会社でトラブルが発生したと連絡があったのは夕方も過ぎた頃。
類が直接関わっていた事業では無いものの状況がクリアーになるまでは社内待機。
秘書であるあたしも残るつもりでいたのだけれど、田村部長と桐ケ谷主任で事足りるって言うのもあって......。
「軽食だけど...足りる?」と美作さんがテーブルの上に並べられている食事に視線を促しながら聞いてくる。
サンドウィッチにサラダ、オードブルがテーブル2枚分に並べられていて、フルーツにプチガトーやプリン等のスイーツも充実。
軽く眩暈を感じる。
だって食べるのきっとあたしだけ。
「牧野に食事をさせて」と類が美作さんに電話をしたらしい。
「お腹すいちゃうからね、先に行ってて」とあたしに微笑んでいたのは、不透明なトラブルであたしを残業させるのは忍びないいう類の気遣いだと思っていたけれど、普通にあたしの空腹を心配してのガチのやつだった模様。
「類がちゃんと食わせろってしつこくてさ」と苦笑する美作さんは、とりあえず適当に用意したけど足りなかったり他に食べたいものがあったら言ってねとウィンク。
「大丈夫です」と恐縮しながら応える心中ではウィンクに突っ込みを入れるあたし。
「類が女性の事を考えて気遣いを見せるなんてな...マジ変わったなアイツ」
感心したような西門さんがまたしてもキラリとスマイルを飛ばしてくるから圧倒される。
分かっていて飛ばしてきていると分かっていても心臓に悪い。
ただ無駄にスマイル飛ばしてくる男にろくな奴はいないと心中思う。
乾杯しようか...と美作さんに手渡されたのはワインベースのカクテル、ローズロッサ。
アーモンドやバニラの風味が広がる。
「ところでずっと気になっていたんだけど...」
食事を始めるあたしに美作さんが話始める。
「牧野さんに最初は恋人の振りさせただろ、アイツ」と、それは何故?と聞いてくる。
やはりバレている事実にあたしが苦笑する。
「別に振りをしていたのはどうでも良いんだけど...ただ類がそこまでする理由がわからんくてな」と西門さんは首を傾げる。
今までの類は恋人がいないことなど全く気にしておらず、自分や美作さんに見栄を張る理由も無かったと言う。
「女なんてうるさくてあざとくて面倒だって言ってたしな」
そう続く美作さんも、それが急に聞いてもいないのにまさに3人揃ってさあ飲もうか...といったところの開口一番に、「彼女が出来た」と言って来た時は驚いたよなと西門さんと頷き合う。
多分、それはあたしを連れ込んだ翌日の夜のことであろう。
「この春から自分の秘書になった一つ下の女性で髪は長い。黒い。ってな」
クックッと思い出したように笑う西門さんは、「子供の頃からの付き合いだけど初めて浮かれてる類を見たわ」と笑う。
「マジびっくりしたぜ。 類がベラベラと女の事話すなんて初めてだったから、それで俺花沢に行ったんだよ」と美作さんがあたしを見て微笑む。
「牧野さんに会いにね」と。
あの日美作専務が訪れてきたのはそんな理由だったのかと驚く。
「で、総二郎に報告してな」
「そそ。 なんか彼女っぽくなかったぞって聞いて」
二人は笑い合う。
それは美作さんがあたしに類の彼女だろうと確認した時のあたしが妙に驚いて絶句していたからとのこと。
「だから初めて牧野さんに会った時...恋人の振りをさせられてんだろうな...とは思ったんだけど......」
「もしかして本当に付き合ってるのかも?みたいな雰囲気もあって迷った」
「でも、まあ...あの報酬でそれは確信になったわけだけど」
二人が笑うのであたしも笑う。
実際に恋人の振りをしていたのだと。
そして報酬は1万円だと思っていたら100万円入っていてぶったまげたのだと。
「でも...最初に二人に恋人が出来たってお話をした時の類は...嘘じゃ無かったんですよ」
だって類の脳内ではもうキスもしたし胸も触ったし...一緒のベッドで寝たんだから彼女でいいよねって、そうなっていた訳だから。
「色々あって、あの時の類はもうあたしと付き合っているって思ってたみたいで......」
「「色々?あって?」」
詳しく。ばりに身を乗り出してきた二人に驚く。
「えっと...だから...その...あたし酔っちゃって...って、それも本当なんです!」
簡潔に言えば初めての接待の席でお酒を勧められ、会食終了後に緊張の糸が切れて酔いが回り、まあ介抱と言うか...何と言うか......。
「「あぁ...やっちゃったのか」」
なるほど。あるあるだな。と頷き合う二人に、違うそうではないと首を振るけれど......。
「類もそういうことするんだな」
「意外だな。 誘われても断るタイプだったのにな」
「やっぱ最初から気に入ってたんじゃね?」
「だなー。 類が自ら女の話とかしてきたの初だしな」
「でも...かわいいな類。 やったから付き合ってると思い込んで俺とあきらに自慢気に言ってきたのに、まさか牧野さんには付き合ってるつもりなんて無いとか言われたわけだろ?ぶぶっw」
「マジかわいい。 それで彼女の振りでいいからって連れて来て俺らの前で彼氏面してな。ぶっw」
「「しかも100万で!」」
アハハハハ、アハハハハハハハハ!
大笑いを始めたイケメン二人を前にあたしは無の心境でサンドウィッチからフライドチキンへと流れるように食事を進める。
少し類が可哀想なのと、そんな類をかわいいかわいいと甘やかす者がここにも二人いるという事実に呆れながら。
「あきら出張中に類と二人で飲んだんだけど、俺にデートについて聞いてきたのよ。かわいかったわ」
「デートについてってなんだよ?w 誘い方とかか?」
「どういうところに連れて行けばいいとか、どんなデートをすればいいのかとか...中学生みたいな事だ」
「ぶっw 夜のお誘いの仕方かと思ったのに...やべえな。かわいいすぎだろ」
アハハハハハハ!
「静のこともな...俺とあきらに何とかして欲しいって泣き付いて来たんだぜ」
「え?...グッ...ぐふっ...」
二人が話しに夢中なのを良い事に生ハムを夢の10枚一気食いをしていたあたしは驚きのあまり咽る。
「大丈夫? 落ち着いて食べて」と美作さんがあたしの背をさすり、ミネラルウォーターを渡してくれる。
「静さんの...こと?って?」と聞き返すあたしに、「静のことで牧野さんが嫉妬して不貞腐れちゃってるって」と肩を竦めながら言う西門さんと「俺と総二郎に一緒に来てフォローして欲しいってな」と笑う美作さん。
類に女のことで頼まれ事なんてしたの初めてだったと二人は「かわいいな」とまた笑い合う。
「あたしが嫉妬?」
違うの? と首を傾げる二人に、嫉妬と言えばそうだけど忘れてはならない事実があるだろうとあたしは話す。
「だってあたしと付き合ってるって二人に言ったところで本物の恋は静さんとであるって言ってた男ですよ?」
そうだったな...と二人は納得顔。
「でも、俺らに泣きついて来た時は完全に牧野さんしか見えてなかったぜ」
「静のことは子供の恋愛ごっこみたいなもんだとか言ってたしな...でも..それをつい最近までマジでしてたの自分自身なのにな。 あほなところあるよな」
「あほなんだよ。いつまでもいつまでも静に幻想抱いてな」
「静も類に理想を押し付けられてな...きっぱり言えば良かったのに」
「それな。...でもそれって静は静で迷惑に感じてなかったのかもな」
「ああ...類の理想は静の女性としての理想でもあったのかもなー」
「「ヘンな二人だったな」」
うむ。とまるでこれで完結。みたいな雰囲気の西門さんと美作さん。
「類の理想か...」ふと呟いたあたしの声に、「今はもう静じゃなくてそれは牧野さんだろ」と「牧野さんのこと好き好き大好きオーラ半端ないから気にするな」と二人は笑う。
気が付けば両サイドから肩を抱かれている自分の状況に驚いて、その手を振りほどくように立ち上がろうとするけれど、まあまあ...と二人に腰と背を支えられて身動きできず。
「ちょっ...あのっ...」
「司に会ったんだって?」
「牧野さんのこと牧野って呼び捨てにしてたぞ」
「友達だからな!ってなんか偉そうに言ってたわ」
「俺たちの方が出会いも早く、静との事では色々世話焼いて助けてやったのに、よそよそしいじゃん」
「そんなことは...!」
「じゃあ、俺らもこれからはつくしって呼ぶな」
「な、なんで!?」
「だってすぐ類と結婚するじゃん。 苗字より名前の方が良いだろ」
口角を上げる西門さんの眩いスマイル。
反対側からは肩に回した手のひらであたしの髪のれ歩一束掴んでサラサラと流す美作さんの微笑。
「「つくしちゃん」」
「何やってんだ! 離れろっ! 触んな!」
類の珍しく大きな声が響いてあたし達3人は同時に肩を揺らし、そうして類によって力任せに引き離された。
***
「ちょっとふざけすぎただけだって」
「からかっちゃってごめんて」
総二郎とあきらが「わるいわるい」と全く悪くなさそうに謝って来るのが更に俺を苛立たせる。
友達の恋人にまで手を出すなんて二人のこと見損なったと言う俺に、「大袈裟」だと総二郎とあきらに加わって牧野までがブーブー言い出してキレそうになる。
「牧野は俺の恋人だろ。なんであきらと総二郎の味方するんだよ」
「味方とかじゃ無いでしょ...」
「類、束縛はダメだぞ」
「男の嫉妬はみっともないぞ」
「みっともなくて結構! もう!触んなって!」
「酒渡しただけじゃねーか! うるせーな」
酒も渡すな、俺の恋人が飲む酒をお前が作るなとあきらを睨めば、バカじゃねーの!と呆れ顔をされるけれど気に入らないんだ。
「あきらも総二郎も牧野に勝手に話し掛けないでよ」
「何言ってんだよ? マジ...引くわ......」
引かれるのも理解しているし最近の俺はどこかおかしい自覚もある。
「......独占欲がやばいんだけど、お前等はマジ恋した事無いから分かんないもんな」
相談相手にもならない友人なんて、最早ただの子供の頃から知っているというだけの人間である。
「役立たず!」
「「はあ!?」」
デートや女性の扱い方について散々レクチャーしてやったのに何だその言い草は!と憤慨しているあきらと総二郎は無視。
「牧野ご飯は食べた? お腹はすいてない?」
「食べたし...ってか、そんな事はどうでも良いよ!」
散々お世話になった西門さんと美作さんになんてことを言うの!?と牧野も怒り出すから、またまた二人の味方なんて!と俺も不機嫌になる。
「ったく、お前は子供の頃からそーだろ。 静への独占欲丸出しでギャーギャー言ってたじゃねーか」
「静、静って後ついて回って、静とペアになれなかったら不貞腐れてな」
「何言ってんだ...! やめろ!」
牧野の前でまた静の話なんて!
慌てて牧野を振り返れば、何とも言えない目つきでジトリ...と俺を見ている。
その口元は歪んでいて、次の瞬間には引き攣らせた顔で溜息。
「留学する静に俺を置いて行くなって縋ってな」
「そ、そんなの中学とか...子供の時の話で...! やめろ!」
「何かのキャンペーンガールになった静の水着のポスター見て裸みたいな恰好するなって怒ってな」
「そのポスターに街中でキスするっていうイタイ行動もあったな」
「やめろっ!!」
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あきらと総二郎への「役立たず」発言を撤回。
恐ろしい二人だ。
俺のこれまでの過ちとでも言うべき数々の静への妄信のほぼ全てを把握しているのだ。
幼馴染も善し悪しである。
未だ放心状態のような牧野をチラリ。
「牧野も知ってるだろ? 俺がイタかったことなんて......」
俺が拗らせていた片想いにドン引いていたのは牧野でしょと見つめれば、また一つ溜息を落として「西門さん、美作さん」と、どう云う訳か牧野は二人に向き合う。
「良くないと思います」
ニヤニヤしていた二人は急な牧野の真顔の固い声に「ん?」と首を捻る。
俺も予想外の牧野の表情に戸惑う。
「人の恋愛をバカにするようなこと、最低です」
久し振りに決まった牧野のカミソリシュート。
あきらと総二郎が我が耳を疑うように見つめ合う。
「類が静さんを慕って憧れていたことのどこが笑えるんですか?好きな人の肌が自分以外の目にふれる事を嫌がる事のどこが可笑しいんですか?」
「いや...別にバカにしてたわけじゃないぞ俺たちは」
な?と総二郎があきらに同意を求めてあきらはそれにウンウンと頷く。
「類が俺らのことを役立たずなんて言うから、ちょっと揶揄ったと言うか...」
「そそ。それに、そんな子供の頃の好きとか何とかなんて笑い話だろ?」
「類、お前だって勘違いしてたって言ってたもんな!?」
慌ててその場を収めるが如くフォローし合うあきらと総二郎から視線を牧野に移せば、その姿は驚く程に凛としていて、まさに毅然とした態度。
「子供の頃の好きとかでも笑い話になるものとならないものがあります」
静かな牧野の声が響いてあきらと総二郎も動かしていた口を止める。
「類の場合は後者です。 ならないほうです」
確かに笑い話にするには痛すぎるもんな...と自身のことなのに恥かしさと言うか情けなさと言うか...思わず溜息が落ちそうになるけれど、「だって、それは......」と続けるる牧野の一言に、それは落ちる前に消えた。
「純愛だったから」
世界には自分と静しかなくて、彼女が話してくれる日常しか知らなかった。
それが全てで他は何もいらなかった。
それは恋と呼ぶには幼過ぎて、俺はそれを拗らせに拗らせて、いつしか恋も愛も憧れも全部まとめて放り出していた。
自分自身でさえ勘違いだったと結論付けた積年の想いを、どうして牧野がそう言うのだろうか。
胸が締め付けられるような感覚。
こみ上げてくる感情に戸惑う。
俺のその恋に大袈裟なまでに引いた表情で、失礼なほどに笑い転げていたのは牧野本人なのに......。
どうして、俺以外の誰も知らなかった俺の気持ちを牧野がその言葉にするのか。
「そのポスターにキスをするほど恋焦がれる気持ち、お二人には分からないんでしょうね」
何処か蔑みを帯びた牧野の声が響いて、その視線は呆れ返った感。
余りのことに驚く二人の気持ちも分かる。
俺だって言葉も無い程に驚いている。
「恋を知らない人が誰かの恋を笑うなんて、そっちの方がちゃんちゃら可笑しいわよ!」
確かに類の役立たず発言は酷いけれど、友達の恋をあんな風に笑い話にして揶揄うなんて!と、どこまで正義感が強いのだろうか。笑えてくる。
「類、帰ろ」
「うん」
罰悪そうな二人に「またね」と声を掛ける。
プリプリしていた牧野も少し冷静になったのか、急に直角に腰を曲げて「すみませんでした。失礼します」と二人に頭を下げる。
そうしてまた長く黒い髪がさらさらと流れる。
***
「あきらと総二郎の顔...思えばあんな二人の顔見た事無いかも...ぷぷっw」
割とああ言えばこう言うタイプの二人が絶句してたもんな。
しかも総二郎なんて珍しく目を見開いていたし、あきらなんてフリーズしてた。
「また...やってしまった......」と頭を抱えている牧野の耳にその黒髪を掛ける。
「牧野...ありがと」
「うん? 何が?」
顔を上げた牧野の大きな瞳が不思議そうに揺れる。
「俺の拗らせに拗らせた勘違い片想いのこと...あんな風にさ......」
「だって、全てだったったんでしょ?」
当然だと言わんばかりに牧野が言う。
子供だろうが勘違いだろうが、誰かや何かを自分の全てだと言い切れる事なんて、人生であるかないか...大体は無いぐらいのことだよと。
「でも純愛は言い過ぎだよ」
「なんで?」
「だってあれは...恋と言うより姉を慕う的な...親愛みたいな感情だったよ」
「うーん? 類本人がそう言うならそうなんだろうけど、あたしには純愛に思えるよ」
そんな風に言ってくれるのって牧野以外にこの世にいないと思う。
だから俺はこんなにも牧野つくしと言う女が愛おしい。
「確かに類の静さんへの想いは拗らせに拗らせたやばめの片思いだけどさ」
「やばめなのかよ」
「やばいでしょ。 しかもかなり重めのやばいやつよ」
そうだな...と苦笑気味に呟いて牧野の肩を抱き寄せる。
「今はもっとやばくて重いんだけど...牧野、大丈夫?」
「え?」
「独占欲がやばいって言ったでしょ?」
自覚していても止められない。
「どこかで仕様が無いとか仕方ないとか...諦められていたあの頃とは違うんだ」
今はもう仕様が無いも仕方ないも俺にはきっと通用しない。
何一つも諦められない。
守りたいとか受け止めたいとかそんな次元では無い。
「愛してるよ」
生まれて初めて言葉にした。
だって、それ以外の言葉では伝えられそうにも無いから。
「愛してる。 もうなんかどうしようもなく......」
ポロンと零れ落ちそうな瞳は吸い込まれそうな黒色。
真っ赤な顔と柔らかな頬に小さな唇。
思わず抱きしめたのは、締め付けられた胸の奥から込み上げてくる感情に、本当にどうしようもなく愛しているという言葉だけが溢れていたから。
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編集 / 2023.05.31 / コメント: 6 / トラックバック: 0 / PageTop↑
コメント
Re: タイトルなし
ビオラさま
こんばんは。
あきらと総二郎の悪ふざけにつくしちゃん静かにマジギレでね。
類くん嬉しかっただろうし、改めて惚れ直した感。
運命の女に出会えて捕まえた類くんが二人よりも何歩もリードしているかなーって感じですね。
コメントありがとうございました。
こんばんは。
あきらと総二郎の悪ふざけにつくしちゃん静かにマジギレでね。
類くん嬉しかっただろうし、改めて惚れ直した感。
運命の女に出会えて捕まえた類くんが二人よりも何歩もリードしているかなーって感じですね。
コメントありがとうございました。
[ 2023.06.01 22:10 | so | URL | 編集 ]
Re: No title
きな粉さま
生ハム夢の10枚一気食い←これね...実際やるとなると、しょっぱいよねw
でもガッと食べてワイン飲みたいよねw
つくしちゃんのカミソリシュートもズバッと決まって良かったです。
コメントありがとうございました。
生ハム夢の10枚一気食い←これね...実際やるとなると、しょっぱいよねw
でもガッと食べてワイン飲みたいよねw
つくしちゃんのカミソリシュートもズバッと決まって良かったです。
コメントありがとうございました。
[ 2023.06.01 22:07 | so | URL | 編集 ]
Re: タイトルなし
きょん!さま
キュンポイントありました?それならば良かったです。
つくしちゃんに窘められたあきらと総二郎の顔想像できるよね。
ポカーンw
コメントありがとうございました。
キュンポイントありました?それならば良かったです。
つくしちゃんに窘められたあきらと総二郎の顔想像できるよね。
ポカーンw
コメントありがとうございました。
[ 2023.06.01 22:05 | so | URL | 編集 ]